「最果ての銀河船団」 上下 ヴァーナー・ヴィンジ (ISBN:4488705030 , ISBN:4488705049)

最果ての銀河船団〈上〉 (創元SF文庫) 最果ての銀河船団〈下〉 (創元SF文庫)
遠未来。
遥か彼方の惑星の探査目的の船団が、目的の惑星軌道上ではちあわせし戦闘がはじまる。結果的に双方ともに莫大なダメージを受け、その星の異星種族の技術発展と協力なくしては母星に生還できなくなり、命がけのファーストコンタクトがはじまる。

けっこうおもしろいです。
双方の陣営ともにバラエティに富んだキャラクターが配置され、なによりファムヌウェンが抜群によい。表面上は道化をよそおい、大逆転を秘かに計画する伝説の人。
あと、片方(敵側)の占有技術として登場する「集中化」がいろいろ考えさせられました。
集中化とは、一種のロボトミー手術で、集中化された人間はある一点の能力は飛躍的に高まるかわりに、その他の人間的な意思はほとんどなくしてしまいます。集中化された人間は機械のようにもくもくと目的をはたすだけの存在になるわけ。これ、特に研究分野に能力を発揮するようで、作中では異星種族の言葉の翻訳なんかに使われてました。あと宇宙船の姿勢制御とか。
なんだかなあ、こういう技術者にはなりたくないなあ、とか思いながら、すでに僕ってこんなのになってる?とか感じたりもしました*1

*1:お前そんな能力高くないだろ、というのはいわない約束