魔法の二冊目

読了。
評価は二冊目を読んでから、ということなので、熱にうなされながら読んでみた。
前作でふに落ちないところはやはりふに落ちなかった。どうやら僕がひっかかっていたところが改善されたわけではないらしい。そりゃそうだよなあ。僕は魔法の根本原理の説明のしかたがどうにも下手糞すぎるのではないかと思っているので、同じルールを下書きにしてるシリーズ中では改善されるわきゃないわな。まあ、そこは目をつぶっておくか。多分もう読まないけど。
終盤、被害がとてつもなく増殖していきかねない、という破滅的な危機が発生しかかるのだが、結局、非常にこじんまり解決してしまう。その他の要素もとりたてていうほどのことはなく、スーっとカルーく読了しました。さすがライトノベル。この本はどう楽しめばよいのでしょうか?教えてライトノベルの偉い人!

三冊目

うわー、三冊目はタイムトラベルものなの?ネタだけ見ると*1面白そうだなあ。うーんうーんうーんうーんうーん。

どこがふに落ちないか

  • 「電気信号のパターンで、別世界の法則を呼びだす。」ここはよい。
  • 「古典魔法使いは、体内で電気信号のパターン(いわゆるコード)を構成することで、別世界の法則を呼びだして魔法とする。」ここもよい。
  • 「現代魔法使いは、体内ではなくCPUの電気信号のパターンを構成することで、別世界の法則を呼びだして魔法とする。」ここもまあいい。

であるならば、CPU上で動作するコードと体内で動作するコードは本来別々のもんだよね。CPUで動作してはじめて魔法パターンになる機械語*2と、体内での電気信号*3を起こす"コード"は全く別物であるはず。
えーと、じゃあ、一巻の冒頭で、体重計のCPU(だっけ?)の上にのっけたコードとこよみの体内でのコード*4があわさって動作するのは何故ですか?現代魔法使いの美鎖は、アミュレットからコードを体内にロードしますか?体内にロードして体内の電気信号パターンによって魔法が発動しますか?じゃあ、アミュレットに蓄えられているのは肉体用のコード?
こよみの例にしても美鎖の例にしても、魔法使いは体内にコードをロードすることで魔法を発動させている。でも、だからといってCPUのみでは魔法を発動できないか?というとそうではなく、PCとか携帯でも魔法は発動される。

この齟齬が致命的なんですよねー。そんな細かいこと気にすんな、と言われてしまえばそれで終わりなのだけど、僕もそれで終わって欲しいんだけど、この作者、妙に説明が細かい。例えば、「CPUごとに組まなきゃいけない」だとか「C複数のPCでのコードの威力を増幅させるには、タイミングを同期させなきゃいけない」とか。上の「そんな細かいこと気にすんな」と言う立場なら、こういう記述は全くいらない。
体内でもCPU上でも同じコードが電気パターンを発生させてうんぬん、って話なら「ああそういう世界なのね」と納得もするのだが、たまに上記のような細かくてそれでいて厳密に正しい訳ではない記述を見せられてしまう。作中世界の説明粒度がばらばらなので、読めば読むほど混乱してしまう。えーっとそこはそのレベルまで本当のこという癖に、こっちは思いっきりはしょるのね、みたいな。
つまり、読んでてこちらがどこまで魔法の仕組みに関して譲歩していいのかがわからなくなるんですよね。どういう理解レベルの読者でいればいいのかわからなくなる。いや、まったく。なので、http://d.hatena.ne.jp/sshi/20050112/p1でも「やり方が非常に中途半端」という感想を持つわけです。
この人、結局どう見せたいんでしょうか。

*1:http://d.hatena.ne.jp/yomimaru/20041031#kaidoku あたりをつまみ読んだ

*2:CPU別に書く必要がある、という記述がある。これは動作するCPUが異なれば起きる電気信号パターンも異なるので当然の話だが、そうすると必然的にコードなるものは機械語

*3:実際どういう仕組なのかは全く記述がないので不明。

*4:作中では「きっかけ」のようなものと記述されている