「はてな鍋奉行」がめでたくキーワードになったらしい

kokoroshaさんは、まだがんばっているようだ(http://d.hatena.ne.jp/kokorosha/20050519#p2)。kokoroshaさんはもう終りにしたいみたいだけど。しかし書いてあることにいちいちうなずけます。あなたは僕ですか?

ああ、そうだ。すこし前のエントリで、

Wikiを使っている方に賛同していただいて勇気づけられました!!っていうか、「はてな鍋奉行」の登録、あるとしても、ガイドラインからすると、わたしではなく、第三者の方が望ましいっぽいですね(笑)

と書かれているので、Wikiに関連して思うところを。つまんないので「続きを読む」にしてしまおう。
実は僕はあまり大人数で書きこめるWikiを常用した経験はない。ほんの仲間うちのWikiならあるし、仕事用のWikiには一人で書きこみまくってるけど*1
で、そんな僕が印象として持っているのは、大人数の人が書きこむようなWikiをそれなりにアクティブに保つのはすごく難しい、ということ。大規模なWikiがアクティブに成功している場合、「優しい独裁者」がしきっていることが多いんじゃないだろうか。「優しい独裁者」ってのは、例えばそのWikiを立てた人が、なにかトラブルが起きたときは強権を発動して、それを静めたりするタイプ。普段は、そんなにウルサクいわないんだけど、いざとなればその人が全てを決める。

でも、この権利をもっている(とみんなが思っている)人の数が増えれば増えるほど、Wikiコミュニティが持つ「あやうさ」の度合は増えていく。

昔、ネットのどこかで見かけた「Wikiコミュニティの壊し方」として、

Wikiコミュニティを壊すには、あからさまな荒らし行為は逆効果、それより、そのWikiに載せるべきか載せないでおくべきかグレーゾーンな発言を書きこむのが効果的である

というのがあった*2。要は、グレーゾーンな発言を書きこむことによって、そのコミュニティ自体を分裂させてしまう手段だ。その発言自体が削除されても削除されなくても、コミュニティ内(で管理権利を持っている人たち)の中に「そうしないほうがいいのに」と思うグループができ、それが分裂へと繋がっていくわけですね。「自分はこう管理したかったのに、そうならなかった」というのはそれほどのストレスであるってことなんだろうなあ。関係者じゃないなら、ほっとければ楽なのにね。で、いうまでもなく、管理者が増えれば増えるほどこの問題は起きやすくなっていく。
じゃあ、どうしたらいいか、っていうと僕も答えを持ちあわせているわけじゃないし、Wiki界隈でもこれは非常に困った問題として残されたままだと思う。あまり目立った問題に見えてないのは、Wikiがそんなに大人数で利用されているケースがないのと、あったとしても、一人あるいは小数の「優しい独裁者」が目立たないようにがんばっているからだ。Wikiよりブログが流行っているのも、個人でブログを書いてるぶんには、そのへんのごたごたとは縁がないからだろう。

はてな鍋奉行関連の問題も、結局は同じ問題のバリエーションなんじゃないかな。「キーワード」を残すか残さないかの判断の問題。なので、Wikiにならって一番コストの低い解決法を探れば「優しい独裁者」たりえる はてなスタッフに判断を任せちゃうってことになる。でも、はてなスタッフはそういうことはしないと言ってる。我々には独裁者がいないのだ。しかも、みんなが従うべき絶対の基準も目的もない。そう、ここは元々無法地帯なのです。自分で自分の身を自分の論理にのっとって守るしかない。

はてな自警団」みたいなのを作って、はてなスタッフがお墨付きを与えてみるのも実験としてはおもしろいかもね。はてなスタッフがそういうことするとは思えないけど。

しかし、なんですね。どことは言わないが、目を覆いたくなるようなコメント欄のやりとりが見受けられました。公共性をいうなら、そのあたりにも気を使ったほうがいいのでは、と愚考する次第であります。

*1:そいえば、二三日前に1000ページに到達した

*2:いま探してみたら原文を発見できなかったので、やや脳内補完されているかもしれません