羊水/羊膜が「ひつじ」なわけ

先日、「『羊水』ってなんで羊なんだろう」という疑問が耳にとまった。
確かに。羊水といえば、お母さんのお腹の中で胎児がぷかぷかと浮いているといわれるあの羊水だ。人間の、しかも出産に関係した器官に、よりにもよって「羊」という動物が使われているのは何故なんだろう。

最初ぱっと思ったのは「羊」という漢字に動物の「ひつじ」以外の意味があるんじゃないか?ということ。ま、そうは思ったものの軽く検索してみたら、これは間違いだということがわかった。

いくつかサイトを羅列

母親の体内で胎児を包んでいる膜のことを「羊膜」(英amnion)というが、その語源 はギリシャ語のamnos(英lamb = 子羊)に由来する。紀元後2世紀の医学者Rufusか らの引用に「胎児は肌着chito'nで包まれている。その肌着は薄く柔らかい。それの ことをエンペドクレースはamni'onと呼んでいる」(Liddell&Scott、津上英輔訳)と あるように、ギリシャ人の生活にとって極めて身近な存在であった羊が、彼等の生活 概念に取り入れられて行った様子がここに伺える。

羊水・羊膜の名前になぜ「羊」の字が使われるのでしょうか?羊膜を意味するamnionの語源はギリシャ語のamnos(=羊)であり、生まれたばかりの膜に包まれている羊(amnos)から羊膜もamnion(amnios)と呼んだという説と、生贄の羊の血を受けるお皿(amnios)から来ているという説があるようです。

どうやら、もともと西欧圏での名前に「羊」という名前がついていたらしい。でもその理由はよくわからないぽい。羊がそれだけ身近な存在であったということかなあ。そいえば、どっかの宗教では「迷える子羊よ」とかいうもんな。

で、思いだしたのがチーズの起源。たしかチーズも家畜の臓器にいれてた牛乳がなにかのきっかけで発酵したのが起源だったような…と思って、これも検索してみた。

「昔むかし、アラブの商人が、砂漠を横断する長い旅に出ました。羊の胃袋でつくった水筒に乳をたっぷり入れてラクダの背にくくりつけ、炎天下の砂漠をとぼとぼと・・・。途中で水筒を開けて乳を飲もうとすると、なんと乳は水と白いかたまりに変わっているではありませんか。おそるおそる白いかたまりを口に入れてみたら、その素晴らしい風味に商人はびっくり。」〜これがチーズの起源といわれています。

ここの他にもいろいろなサイトで似た話がでてくる。上記サイトから辿れるサイトでは、オデュッセイヤにもチーズの記述がある、ということが書いてある。どんだけ古いんだチーズ。

なんにせよ、昔むかしには、それだけ人間の生活と家畜(羊)の関係が密接で、羊の臓器が貴重な資源であったのだろう。なんかロマンだ。

えーと、「羊水/羊膜」の起源について情報をおもちの方はどしどしコメントください。

余談その1 胎盤とか羊膜とか

余談だがこの話を某所で某Mくんと話していたら、「羊膜」や「胎盤」はそもそも母親側の臓器ではなくて、子供が卵子から発生する過程でできるものだということを教わった。全然しりませんでしたよ。胎盤なんて母親側の臓器だと思ってた。胎児の頃から周囲に膜をはりめぐらせて産まれてくるなんて、よくできているなあ。そして、すこし淋しい。

余談その2 はてなブックマーク活用

さらに余談だが、今回、この調べものに はてなブックマークを多用してみた。検索で見つけたよさそうなサイトを[羊水]というタグでがしがしコメント付けて登録。あとから[羊水]タグでまとめて参照できるし、コメントのおかげで思いだしやすいし、かなり便利。調査の履歴をみたい人は http://b.hatena.ne.jp/sshi/%e7%be%8a%e6%b0%b4/ で参照できます。