サマー/タイム/トラベラー
読了。
- 作者: 新城カズマ,鶴田謙二
- 出版社/メーカー: 早川書房
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「過去と未来と可能性」という要素のいくつもの変奏が多重に埋めこまれていて、その入れ子の構造に巻き込まれました。素敵。"センチメンタルSF"としても一級品なのではないでしょうか。生まれてはじめて、読書会用のレジュメを書きたくなったよ。
とか考えてたら、「ゲーデル,エッシャー,バッハ―あるいは不思議の環(ISBN:4826900252)」が読みたくなった。読んだことないんだよな。
しかしこんな生活が片田舎の高校で送れるものなのか。大学の時にようやくその生活を手にいれた(ということにしておこう)僕にしてみればうらやましい限り。まぁ、実際にこんな環境が揃っていたとして、僕がこういう高校生活を喜んで送ったかというと、それはまた別の話なのだが…。と、最後まで「可能性」の入れ子から抜けだせないわたし。
追記
例によって、リンクを辿って感想を読んでみると、「あんな頭のいい高校生達はいない」という感想がちらほらある。僕としてはそんなに違和感なかった。流石に、あんな田舎町の高校にあんなかしこい高校生グループが存在する可能性は低いよなあ、とは思うけども、あのグループの構成員(さすがに悠有はおいといて)になれそうな高校生は世の中にいくらでもいるだろう。それぞれの人が孤立してるから目立たないだけで。だけといっても、それがクリティカルなんだけど。
甲子園で剛速球を投げて「怪物」と呼ばれる高校生もいれば、非ナッシュ的とかn次の可能性マトリクスとかいう概念を操れる高校生もいる。それだけの話。