ブックマークエージェントネタから透けて見えるGoogleのコアコンピタンス

http://www.otsune.com/diary/2006/07/15/1.html#200607151
より、ブックマークやアマゾンでの購入を人間じゃなくて、ユーザー個人のくせを学習したエージェントがやるようになるんじゃないの?ってネタ。
でも、これはネタなんだろうか。僕は近い将来必ずそういう世界がくると思ってる。ユーザーの好みを学習したエージェントがユーザーの代りに何かする、ってのを実現するのは技術的にはそんなに難しい話じゃないし。肝心の推論アルゴリズムの優秀さは保証されてるわけじゃないけど。
推論アルゴリズムが個人の文句(このサイトは欲しくなかった、とか)に柔軟に対応しない超強気のエージェントだった場合には、推論アルゴリズムが優秀であれば各個人が人件費のかからない優秀な秘書を持てる世界になるし、推論アルゴリズムがへぼければ星新一の世界になる。エージェントがアマゾンの購入までするかどうかは個人個人がそのエージェントにどれだけの権限を持たせるか、かな。
「そんな超強気なエージェントなんて使えないだろー」という気もするが、でもそれは既に存在してる。推測する対象がある個人じゃなくて集団だから焦点ぼけてるけど、今の検索エンジンのランキングがそれ。検索エンジンは、あるキーワードから、世界人類が希望するサイトを推論してランクづけする。かつユーザーの文句には対応しない。なんて素敵な超強気のエージェントなんだろう。
じゃあそれを個人にあてはめてみよう、っていうのはそんなとっぴな想像じゃない。特にGoogleは基本的に自分達の推論アルゴリズムに自信をもってるから、「優秀な秘書ですよ」とかなんとかいって、個人相手の推論(あるいは予測)サービスを出してくるのはそう遠い将来のことではないだろう。きっと、今だって大勢のドクター達が、いまだかつてないほど膨大な情報を元手に推論アルゴリズムを切磋琢磨してるに違いない。
そして膨大な情報から未来をひきだすその推論アルゴリズムこそが、Googleが情報から富を産みだす次のコアコンピタンスになるだろう。その世界は星新一的悪夢に彩られた世界になるのか、全人類に機械仕掛けの秘書がかしずく夢の世界になるのか、さぁどっち?