おおきく振りかぶって
- 作者: ひぐちアサ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/03/23
- メディア: コミック
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中学時代、速球も投げられず「ハリボテのエース」として一勝もあげられなかった主人公。チームメイトからも全く信頼されず、そのせいで自信のかけらもなく卑屈な卑屈な性格に。でも彼には、ただ努力のみで身につけた驚異的な制球力と、普通のストレートとは違い微妙に浮きあがる"まっすぐ"という武器があった。高校にはいった彼はやはり野球を捨てきれず、全員が一年生という新設野球部に入部し…というお話。
お話じたいは、ヘタレな主人公がまわりの力をかりながら成長していくっていうありがちな話なんだけど、おもしろいのは描写の細かさ。とにかく細かい漫画。野球のルールや練習方法なんかの理屈も細かいし*1、心理描写も細やか。そしてすごいのはその細かさがシームレスに試合に直結してること。
お互いのチームの監督やピッチャー、キャッチャー、バッターがその時に何を考えてるかが丁寧に描き分けられていて(そして大抵は御互いの考えはくい違っている)、それらがひとつひとつ積み重なることによってピンチやチャンスが構成されていく。いやすごいです。描写の密度は高いけど流れはよいので読みやすい。
この書き方だと土台がしっかりしているので勝敗はどうなってもおもしろさには関係ない気がする。いや多分それは嘘なんだけど、そういうふうに感じさせる漫画でした。漫画なのに「筋書のないドラマ」を見ている気になったよ。
ところで
この漫画を読むきっかけは、誰かがブログで書いてたのをLDRで読んでおもしろそうだと思ったことだったんだけど、その記事をもう一度探そうとしてもみつけられなくなってしまった。書いてあった文章までは正確に思い出せないし、漫画のタイトルでぐぐってもいっぱいヒットしすぎて探せないし、どうしたもんだか。
RSSリーダーに既読分の全文検索機能つかないかな。
あ、みつかった。google偉い、という結論でいいのかなこれは。
*1:おまけ漫画でインフィールドフライのルールを解説してる漫画ははじめてみたよ