ガリレオの苦悩 と 聖女の救済
先日の「ガリレオ」テレビ特番の最後で、特番の原作本「ガリレオの苦悩」が出るよ、と言っていたので買いにいった。ら、なんとその短編集の隣りに新作長編まで置いてあった。映画もやっててタイムリーなこのタイミングで、ハードカバー二冊を同時に出すとはえげつない。
とはいえ、傑作「容疑者Xの献身」に続くガリレオの長編第二弾であることに加えて、帯の「おそらく君たちは負ける。僕も勝てない。これは完全犯罪だ」「理論的には考えられても、現実的にはありえない」にまんまと煽られて、ほくほくして即二冊買い。幸せな週末だ。
ガリレオの苦悩
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/23
- メディア: 単行本
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ちょっと驚いたのが、ドラマで柴咲コウが演じた内海薫と原作の内海薫の違い。原作の内海薫はできる子じゃないですか!ドラマの柴咲コウは騒ぎまくって話に華をそえるワトソン役だったけど、原作の内海薫は良く言えば冷静で頭が切れる、悪く言えば華がないキャラ。
これを先に読んでたら、湯川の違和感より内海薫の違和感のほうが大きすぎて、ドラマはまともに見れてなかったかもしれないなあ。この順番でよかった。
聖女の救済
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/23
- メディア: 単行本
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こちらにも内海薫が登場していて、短編集では空回りしたりもする彼女がこの長編では事件の手掛りを鋭く指摘する役割を担いつつある。草薙が完全にワトソン役なので、ペアになる内海は小ホームズにせざるを得なかったのか、東野圭吾の趣味がはいっているのか。
この長編の犯人は白夜行や幻夜の主人公を思いおこさせる「とても頭がよい底の知れない女性」として描かれていて、今のところの構図は、鉄壁のアリバイを誇るその犯人に小ホームズ内海薫が湯川の援助を受けつつ対抗する、という雰囲気。よい。とてもよい。
まとめ。なんだかんだいいつつも、僕はまだ東野圭吾が好きすぎる。