「トキオ」 東野圭吾 (ISBN:4062113279)

トキオ
さぁ、今日の「これを読め!」は東野圭吾の「トキオ」だ!
映画化された「秘密」をはじめ、じわじわと傑作を送り出しているこの作者、今度は「夫と妻&娘」じゃなくて、「父と息子」をテーマにした傑作をものにしたぞ!

いつか大きなことをやってやる!という口癖の主人公の前にある日突然、彼のことをよく知っている若者「トキオ」が現れる。
ぶっちゃけ、この若者がなんと未来からやってきた主人公の息子なんだけど、そこからいろんな事件にまきこまれちゃって・・という話さ。

東野圭吾お得意の語り口で、1970年代の街並みと父と息子二人の物語がつむがれていく。

白夜行のおもくるしい雰囲気とはちがって「トキオ」はどこかほのぼのとした雰囲気で語られていくんだけど、クライマックスで語られる言葉はすげー重い。

その想いはとっても重いけど、でもみんなそんなおもいをしながら生きてかなきゃいけない。 はっきりいっちゃうとストーリーはたいしたことない。
まがりなりにもタイムスリップものなのに、いろいろ腕をふるえる題材であるはずなのに、そのネタは息子を若い父親に会わせる装置の役割しかない。

でも、作中人物のいろんなおもいがばしばし伝わってくる、そんな本さ。

みんな、よかったら読んでくれ。