「ブルーハイドレード」 海原零,集英社スーパーダッシュ文庫 (ISBN:4086301911)

ブルー・ハイドレード―融合 (集英社スーパーダッシュ文庫)
ひどい本だった。40ページしか読んでいないが、構成がひどすぎる。

「お。潜水艦ものでしかもSFだぁ」とあまり読まずにレジにもっていったのが大失敗。
SFの常としてややこしい状況説明があるのだが、この本、冒頭にいきなり「言葉」で延々と説明するんだもの。せめてもうすこし人物の行動やら心理やらにからめてそれとなく自然に導入するとか、潜水艦戦のアクションを通じてSFガジェットを説明するとか方法はいろいろあるだろうに。
設定集みたいに解説が続くのにはうんざり。せっかくSF読者が騙されてやろうと思ってよんでるのに、この現代とは異なる社会構造の歪みや、それによる登場人物の心理描写(しかもまたこれがおそまつなんだ!)をそんな調子でされても困るっちゅうの。


もうアラも目立つ目立つ。だいたい軍閥がしきりまくってるという設定の軍組織だったら、いくら優秀といえども、スラム出身の娘っこが仕官候補生までいけるわけなかろう。

スラム出身の優秀な仕官候補生ってあなた、貧困層貧困層から抜けられないのはそもそも、出世のチャンスに繋がる機会が与えられないからですよ?貧困層に優秀な仕官への道が普通に開かれてるわけがない。
しかも、エリート特権意識ばかり強い貴族共が軍部のトップしめてる、とか書いてあるし。
そんなエリート貴族樣達がスラム出身の奴らを自分のおぼっちゃんおじょうちゃんといっしょに働かせる気になりますか?そんな制度にしておきますか?
わけわからん。

35ページくらいからやや潜水艦戦チックになったので、ほんの少しだけ期待して読み続けたんだけど、40ページからまた状況説明がはじまったので、そこで本当にうんざりして投げました。

あーもう、せっかくの潜水艦がパァだよ。
というより、ライトノベルってこんなにレベル低いんですよ、ってことかなあ。