スチームボーイ

えらいおもしろかった。


蒸気を吹きあげつつ動く様々なメカニズム、SF一発ネタともいえる「スチームボール」というアイデア、スチームボールにひっぱられて動く王道冒険活劇ストーリー、いっちゃった科学者ども、たちむかう健気な少年、いやー堪能しました。

蒸気機関のパワフルさを緻密に表現している映像をベースに、あおり系の音楽もよく効いていて、いやおうなく物語にひきこまれました。
「蒸気ってすげー」っていうのが演出でほどよく擦りこまれるので、その後の一輪車(?)チェイスシーンも盛り上げられてしまうのですわ。「うひゃーごつい蒸気マシンキター。うおー主人公もお手製蒸気マシンもってるううう。うわー逃げられるのカー!」みたいな。あおられすぎ?

ストーリーは王道でわかりやすいけど、けっして薄っぺらには感じませんでした。登場人物が秘めたる思いがそれぞれにエンジニア魂をゆさぶってくれたからかな。
職人なおじいちゃんや、(たぶん事故が原因で)技術そのものに入れ込むお父さん、いろんな物に裏切られながら、それでも若さを武器に自分の信じた道をひたはしる主人公。
ロンドンを壊滅させながら進む技術対技術の戦いと、思想対思想の戦い。
結局答えなんてでないのだけど、そんな泥沼と化した状況の中を、爽快に切り裂くスチームボーイの飛翔。気持ちいいです。その心意気やよし。