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- 作者: 浦沢直樹,手塚治虫,長崎尚志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/09/30
- メディア: ペーパーバック
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やっぱおもろいな。浦沢直樹。
鉄腕アトムの「地上最大のロボット」という話をひきのばして漫画にしてしまうとは。
MASTERキートンで語りを学び、MONSTERでサスペンスと融合させることに成功し、20世紀少年でストーリーを語りはじめた浦沢直樹らしく、あちこちに「泣かせ」シーンがおりこまれつつロボット達の心情が描かれていく。
確か元の話は、各地の高性能ロボットを破壊しまくるロボットをアトムが撃退する、という話だったと思うけど*1、この漫画の主人公はその破壊の対象になるであろう高性能ロボットのうちの一人、刑事ロボット、ゲジヒト。
主人公をアトム以外に設定し、破壊されていくロボット一体一体のドラマを今や十八番となった語りでしたてていくあたり、上手いですよ。
しかし、なんというか、ちょっと上手すぎる気がする。おもしろいことは間違いないのだけれど、なんだかもう完成したメソッドにしたがってプロットを組みたてているだけ、という雰囲気がただよう。そりゃ、いろいろと謎や事件がちりばめられているのですが、なんかどーも、メタな意味で型にはまりすぎてませんかね。日本漫画界のマイケルクライトン?
ドクター天馬の愚直なまでの信念や、ケンヂのロック魂みたいな、「精神の血の一滴」*2が感じられない。まだ一巻だけだからかなあ。
ところで、この漫画の「ギギ」とか「ゴゴゴ」とか「ブブブ」とかいう擬音、手塚治虫の書きかたにあわせてますか?気のせいですか?