ASIMOで授業

あの元祖二足歩行ロボット・アシモ君が今度は、理科の授業を受け持つことになりました。 「片足立ちした時にアシモがバランスをとるためにしていることは?」(先生) 「体を傾けている」(生徒)

やーこれ、面白いなあ。最先端の技術の塊であるASIMOを教育に使うってのはなんだかすごい。応用例を目の当たりにしながらの理科の授業はとても楽しいだろうし、こういう形で技術がフィードバックされるのはとてもよい効果を産みそうだ。

「何かわくわくしてる。最先端の技術にこの手で触れ合えるんだなって」(生徒)

本音のコメントだとしたら素晴しい。本気でそう思える一瞬があれば、他の分野(教科)での「応用例」を想像する手助けにもなるんじゃないでしょうか。
SF作家のアーサー・C・クラークは「高度に発展した科学技術は魔法と区別が付かない」と言っている。身のまわりをみまわしてみても、すでに何がどうやって動いているかわかんない機械ばっかりだ。かざすだけでJRに乗れてしまうSuicaとか、テレビの映像をいくらでもとりためてくれるHDDレコーダーとか、遠く離れた人とどこでも話しができる携帯電話とか。ASIMOなんてのも、勝手に歩きまわるゴーレムだし。ハリーポッターを読まずとも魔法の道具は既にあちこちに存在している。
そいつらを動かしているのは魔法なんかじゃなくて、積みあげられた技術なわけですが、下手するとそういう「魔法の道具」に慣れすぎてその向こう側にある仕掛けに全く無関心なまま生活できてしまう。「あらまあ、便利だね」といっていられるうちはいいんだけど、無関心なまま何されてるかわからない、というのはちょっと嫌だ。
全部が全部、仕組みを理解してから使うなんてのは不可能だけど、せめてその向こうには何かの仕組みがきっちり動いているんだ、というのは覚えておいて必要ならばそれを考えられるようにしておきたい。
その意味で、子供達がこういう「魔法に見える最新技術」と技術の基礎である理科との関係を実感できる機会は素晴しいと思うのです。