HTML難読化 + 劣悪なユーザビリティを提供するソフト

http://www.shtml.jp/

「SHTML」は、簡単操作により、HTML暗号化・右クリック禁止を実現し、HTMLソース・画像ファイル・Javascriptを強力プロテクトするソフトウェアです。

仕組みをよくわかっていない素人さんから金をまきあげるソフトですねこれは。スラッシュドットjp(http://slashdot.jp/articles/05/08/05/216202.shtml)にもとりあげられているけど、ウリ文句がひどい。いまどき、こんな露骨な詐欺ソフトを大々的に金とって売ろうとする人間がいるとは思わなかった。

要はHTMLソースをJavascriptで難読化して、さらに右クリック禁止等々の機能を付加するソフトだ。このソフトを通すとHTMLページのソースや画像のURLを「普通の方法」では見れなくなる。けど、それだけ。少しでも理屈のわかった人がみれば、あっさりと元のページを再現できる。簡単な解読スクリプトを一発書けばそれでおわり*1。まあ、そこまでやらないでも、Firefoxとか使えばそのままソースを見られたりもするらしい。
そのへんの中途半端さは、このソフトの作者のページ(http://www.broadband-xp.com/hidesource/)を読めばわかる。とくにここ(http://www.broadband-xp.com/hidesource/conclusion.html)。それなりに正しいことが書いてある。でも、上記の販売サイトには「暗号化」とか「セキュア」とかいう言葉が目一杯ちりばめられているて、これだと、素人さんは「あ、これかけておけばソースに何が書いてあるのか絶対わからないんだ!」みたいに思っちゃうんじゃないかなあ。

このソフトとその売り文句でタチが悪いのは、「暗号化」という言葉を意図的に使っているところ。こんな脆弱で、しかも「鍵の隔離」の概念さえないようなソフトを「暗号化ソフト」って呼んじゃいけません。「超強力な金庫です!ただし、鍵は鍵穴のすぐ隣りにあって誰でも使えます!」って言ってるのと同じ。

そもそも、電子データをコピーされて使われたくない、という話なら著作権保護の技術を採用すべき*2だし、限定した人だけに見せたい情報だってんなら、ユーザー認証とか使うべきだ。基本的に小手先のくだらない仕組をこんな広告を打って売りものにしてはいけない。詐欺だ。

スラドjpにこんなコメントがあった。

まともじゃないサイト運営者を孤立させるために作られた罠ツールなのですよ ぐぐるに無視してもらえるようにサイトを難読化することで、糞サイトを事実上消滅させ健全なWebにするのが真の目的なのです セキュリティなんて建前に惑わされてはいけません # てか ほんとにこの通りだったら勇者なんだけどなぁ

なっとく。

*1:もう誰か書いてるんじゃない?

*2:現状、簡単に使える技術がないという話ならそれを啓蒙するしかない