摩天楼の怪人
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/10
- メディア: 単行本
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島田先生お得意の序盤の幻想的な謎は素晴しくて、寝ながら読んでいたら関連する悪夢を見てしまったほどの冴えだし、終盤の幻想的なシーンもこれまた一級品で映画化したらさぞ派手なシーンになる気はするのだけれども、読みおわってみると、何かものたりない。要は、中盤での謎の転がりがイマイチ。ちょっと納得いかない箇所もあるし。読んでる時は楽しく読めるんだけども。その意味で、中盤の謎が転がっていくそばから、また新たな風景が浮かびあがってきた「ネジ式」に軍配。
ただ、マンハッタンという特異な街の建造物を描き出すのには成功しているので、そこをもっと面白がれると評価あがるかもしれない。個人的にはそこもあまり…、てなかんじ。面白いことは面白いんだけどなー。「ネジ式」はあまり期待しないで読んだら、えらい面白かったので、その分良い印象になってるのかもしれない。