さよなら妖精

さよなら妖精 (創元推理文庫)

さよなら妖精 (創元推理文庫)

読んだよ。これもおもしろかった。
刺激のない高校生活をおくる主人公の前に突如あらわれたユーゴスラヴィアの女の子マーヤのお話。帯には「不朽のボーイ・ミーツ・ガール・ミステリ」って書いてあった。
で、おもしろかったんだけど、どうにも同じパターン「序盤や中盤のうちは日常に転がっている謎を丁寧な語りくちでさらっと解いてみせておいて、その調子で最後の謎の蓋を開くと、そこにはインパクトのある結末が待っている」、ってのが続きすぎるような気がしてだんだん不安になってきた。全部このパターンなのか?
途中の謎解きも丁寧でちゃんと作ってあるし、最後に開く仕掛けは今回も序盤のうちからちゃんと仕込まれているので、そのへんに文句は全くないんだけど、なんというか、こー、やっぱ派手さが足りないのかな。いや最後のインパクトだけは十分なんだけどなー。
おもしろいんだけどなー。何か足りない気がする。今回は読み終った直後は「傑作だ!」と感じたのに、急速に膨れあがるこの物足りなさはなんだ。構成がまとまりすぎてて、そこが目立っちゃうのかな。構成が作為的すぎる、というか。その意味では「犬はどこだ」のほうが良かったなあ。

あ、マーヤがたびたび口にする「哲学的意味がありますか?」っていうのはいい決め台詞だと思った。この人、決め台詞使うのが上手いな。