亡国のイージス

そんなわけで見てきた。
うーむ。本を未読の人はあれでストーリーが理解できたのだろうか。
映画のつくりとしては古き悪き邦画が、限界までガンバリました、という雰囲気。ローレライのような綺麗なドンパチシーンもほとんどなく、指令所はすこし古くさい感じを漂わせ*1、シリアスなシーンになると決まって、重々しい音楽が飽きるほど流れ、福井晴敏描く熱い男達が、真田広之演じる暑苦しい男だけに結実しておりました。
福井晴敏の描写を映画で説明しきるのは無理かなあ。あそこまでぶった切ったローレライの判断は正しかったということか。まあ、主役の思想はそれなりに行動で示されているから、親玉だけでもいいので、主役に対抗する陣営の思想を映像的に上手く説明できればなんとなるような気もするけど。結局そこが上手くできないので、つじつまをあわせるために薄っぺらで子供だましな言葉だけが漂ってしまう。哀しい。
まあ、結論としては、福井晴敏作品の映像化は無理ということで。ひとつよろしく。

あ、でもラスト、真田広之が受けとった品物を見るところは非常に映画的でよかったです。感動した。あと、工作員のおねえさんが可愛いかった。行動はあまりに説明がないので意味不明だけども。

予告でみた「容疑者 室井慎次

意外なことに、室井の映画がおもしろそうだった。予告編をみる限りでは田中麗奈八嶋智人が良い。柄本明とか佐野史郎とか脇も磐石。「交渉人」みたいに脚本が足をひっぱらなければいい映画になるんじゃないだろうか。見にいくか。

Kill isokaze! (8/1追記)

あ、そうそうこの映画では空自による攻撃シーンがでてくるのだけれど、その時の戦闘機と管制官のやりとりが「パトレイバー2」でのシーンとまんま同じでちょっと笑ってしまった。「Kill isokaze.」「... Say again.」「I say again, kill isokaze.」みたいな。
まあこの程度なら偶然かもしれないけど、その前に、政府の人間の口から「この平和は戦争のはざまの空虚な平和にすぎない」みたいなセリフもとびだしてたので、どうしても連想しちゃいました。
まあしかし、あの映画が10年も前に作られていたっていうのはやっぱり凄い。

ところで、はてなISBN/ASINページ文字コードがおかしい。ぐちゃぐちゃになっていて、どう調整しても読めなさげ。

*1:レーダー上の表示で、ミサイルがまんま弾丸のようなどでかいシルエットになっていたのにはすこし哀しくなりました