「逆輸入されるはてなブックマーク」にみるはてなの危機とチャンス

最近「最近の人気エントリー」上位にリストアップされるはてなブックマークの中に、昔からブックマークされているエントリがちらほら目につく。例えば、この結城さんの「文章教室」へのブックマーク(http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.hyuki.com/wl/)。
確認できる限りでは、僕が最初にブックマークしたのが2005年5月26日、ほぼ一年前。それほど昔から(はてブの中に)存在しているページなのに、今現在「最近の人気エントリー」の40位あたりにいる。
ひどく時間軸に敏感なはてなブックマークランキングにそんな昔のエントリがランクインするなんて、いったいどういうことかと思ったら、答えは簡単だった。最近ブックマークした人が多いのだ。2006年3月7日以前には10人程度のブックマーク数だったにもかかわらず、2006年3月7日からブックマーク数が急上昇して現在50件を越えている。
たぶん、3月7日あたりにどこかの有名サイトで紹介されたりしたんだろう。はてなブックマークの中には昔から蓄えられていたエントリが、いわば外部のサイトから逆輸入されて、ブックマーク件数が爆発的に増えたわけだ。
これってちょっともったいなくない?だって、50人を越える人数に「ブックマークする価値がある」と思われるエントリが一年近くもデータベースの中に埋もれていたわけだよ?他にも価値あるエントリがはてなのデータベースの中で腐っているに違いない。すごくもったいない。ブックマークの量自体は毎日とんでもないスピードで増え続けていくけど、本来届くべき人には全然届いてないんじゃないだろうか?
この状態に、はてなの中の人は危機感もってないのかな。データを繋ぎあわせて、さらに価値を産みだすのがWeb2.0なんじゃないのか?データを抱えこむだけで満足なのか?
情報を腐らせずにひきだすやり方はいろいろあると思うんだけどなあ。すっごく簡単だけど、その方法のひとつは「あなたのはてブランキング」(http://d.hatena.ne.jp/sshi/20051116/p1)で示してみたつもり。Web解析系の研究してれば、こんないい加減なのじゃなくてもっと素晴しいアイデアはいくらでもでてくるだろう。
はてラボ、なんてものもできたことだし、はてなブックマークのデータ検索APIを限定的にでもユーザーに開放することはできませんかね?負荷の軽い検索系のAPIが提供されれば1週間といわず3日くらいで、素晴しいサービスの実装がユーザーから出てくるに違いない。もしこれが実現すると、サービスそれ自体もユーザが実装して育てはじめる、という、あまり他に例のないWeb上のエコシステムが誕生するような気がするのだが。ユーザーを巻きこんだサービスコンペとかやってみてもいいんじゃないの。